第23話 クリスマスデート

2018年6月17日 12:00 カテゴリ:兀橋のアミノ酸分析奮闘記

クリスマスイブです。

街中に青、赤、白などの電飾が施されています。

そんな一年で最も活気づく日、12月24日に私は先生と福井県に来ています。

もちろん、先生とふたりでクリスマスの福井県を満喫しようというわけではありません。

2週間ほど前、松島先生の標本よりもさらに古い年代の化石が必要じゃないかという議論になり、慌てて試料を探しました。

先生の居室で、いろんな博物館に電話します。

しかし、先生が電話をかけてもかけても、つながりません。

先生「どうなっているんだ...」

!!!!!!!!!!

先生「あ、FAX番号に電話をかけてしまった(笑)」

思わず、吹き出してしまいました(笑)

時折見せる、先生のおっちょこちょいには、毎回笑いが止まりません。

さて、電話によると、「福井県立若狭博物館」に目的の化石試料が収蔵されているとのことで。

若狭までやってきました。

博物館では、鯵本さんが出迎えてくださり、研究概要とその標本借用目的を説明します。

が、上手く伝わらず、先生にバトンタッチです。

要点を押さえた説明ができず、悔しかったのを覚えています。

どんな相手ででも自分の意見を理解してもらえるような説明ができるようになりたいものです。

打ち合わせを終え、標本庫に向かいます。

鳥浜貝塚から産出した遺物や動物化石を見せていただきました。

当時の人類がどのような生活をしていたのか、想像力を引き立てる遺物がたくさん出てきます。

そして、目的の種の化石が出てきたのですが、衝撃的でした。

殻は数個体しか産出しないのに、20倍以上のふたが産出されました。

一体、縄文人はどのようにその生物を扱ってきたのでしょうか、興味が尽きません。

また、殻が産出しても、穴ぼこがあったり、割れている試料があったり、サイエンスを秘めているような試料が多かったです。

「なぜ、ふたが多いのか。」と鯵本さんに尋ねましたが、わからないとのこと。

ん~ なんでなんでしょうね~???

産状の謎については明らかにすることはできませんでしたが、無事に貴重な試料を提供していただきました。

鯵本さん、すてきなクリスマスプレゼントをありがとうございます。

その後、鯵本さんに博物館の展示物を案内していただきました。

縄文時代の話って、小中学校の社会・歴史じゃ数ページくらいしかやらないですし、詳しく掘り下げた話を聴くのは初めてでしたので、非常におもしろかったですね。

その帰り道、車で先生と議論していたのですが、「ふたの謎」を紐解くクレバーな仮説を立てました。

その真相を探るために、「ふた」の研究もやってみたいです!!!

が、いまは、あたためておきましょうか。

金沢に帰ってきたのは、18時過ぎ。

実は次の日、研究室グループでの私の最終報告がありました。

ある程度の準備は終わっていましたが、先生から「余裕があったら、微細構造観察まではしとくといいかもね」と言われたので、仕事をします(パワハラではない)。

時間は遅いですが、微細構造のデータを増やせば、よりよい発表(議論)ができると思っていたので、やる気は十分にありました。

そして、翌25日は2015年の地質ゼミの大トリの発表。

街中がロマンチックに染まっていく中、私はアカデミックに染まります。

いままで人生のクリスマスの中で、こんなにも充実した年はなかったかもしれませんね(笑)。