第16話 見るのとやるのは違う

2018年5月13日 12:00 カテゴリ:兀橋のアミノ酸分析奮闘記

JAMSTECで記録した手順ノートを元に、誘導体化を進めていきますが、後藤さんと先生は、実験に慣れない手つきの私を不安そうに見守ります。

とはいえ、最もひやひやしていたのは私自身。

力石さんのところでしっかり習得できたと思っていたのですが、いざやるとなるとスムーズにできません。

教わりながら進めるのと、自分が主体的に進めていくのでは、全然違うんですね。

経験が浅い人間がピペットなどの実験器具を使うと、どうしても作業がぎこちなくなり、至らない点を指摘されます。

具体的には、ガラス器具の使い方。

ビギナーズランクの頃は、「ちょっとくらい...」と軽視していましたが、化学分析では、このような高を括った考えは、非常にまずいです。

どのくらいの精度を求めているかにもよりますが、わずかなコンタミにより得られた値が意味のないものになりかねません。

「分析すれば"値"は出るけど、その値が"真の値"であることが大事。それを位s召すために、プロセス(サンプリングから分析するまで)をきちんとすべし。」と耳にタコやらイカができるほど、ご指導いただいております。

値を出すことが仕事じゃなくて、なぜその値になった(どのような現象が起きた)のかを考えることが我々の仕事ですからね。

失敗もたくさんしましたね。

誘導体化を終えたバイアルを倒した瞬間のブロークンマイハート。

あの気持ちはいまも忘れていません。

蓋をあけたままジクロロを沸騰させてしまい、試料がなくなったこともあります(そりゃ沸点が約40度ですもんね)。

でも、失敗をすると、「ここが注意すべき点だ」とわかるので、次につながります。

失敗は成功のマザーですね(きょうは母の日)。

力石さんに教わったときは、朝9時半から始めて、14時には終わっていたので、今回も夕方までには終わるだろうと思っていましたが、そんなに甘くないです。

すべての工程が終了したのが夜の20時くらいになりました。

当初の予定よりも時間がかなりおそくなってしまい、先生と後藤さんには大変申し訳なかったのですが、帰らずに最後まで一緒にいてくださったことが素直に嬉しかったです。