第71話 ほんとの修論発表会

2019年6月30日 12:00 カテゴリ:兀天狗

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やってきました北海道!!!

3月だというのに,まだまだ雪が残る北海道.やはり寒いです.

今回,北海道に来たのは卒業旅行力石さんに私の集大成を見ていただくためです.

私の研究を進めるに当たり,有意義な意見を多数いただき,お礼も言いたいですし,

アミノ酸の窒素同位体比研究の最先端をひた走る大先生と議論ができるわけです.

緊張と期待で,高揚していました.

合わせて,札幌で開かれていた生態学会では,アミノ酸の窒素同位体比セッションがあり,

力石さんをはじめとしたアミノ酸研究者の話も聞くことができます.

まずは生態学会でのアミノ酸セッション.

力石さんの発表は,毎回頭にすーっと入ってくる.

この不思議な力を私も身につけたいです.

あとは力石さん自身がすごく楽しそうに話しているのも,いつも憧れます.

「あんな風になりたいな~」と思われるように私もなりたいです.

さて,話は学会に戻ります.

当たり前ですが,アミノ酸の窒素同位体比を使って研究されている方は私達だけではありません.

初めて聞く話もあり,こんなにも進んでいるのか!と肌で感じました.

やはり,金沢に閉じこもっていてはダメですね(最新の論文をフォローしなさい).

力石さんのラボで"ほんとの"修論発表会が始まりました.

発表終了後,力石さんから

「合格!!!これで修了だね!!」と

修了認定が降りました.

修論発表会のように発表できればよかったのですが,

緊張なのかなんなのか,少し堅い発表だったと,後藤さんから言われました.

ほっとしましたが,そのあと議論が始まります.

力石さんには,

「多角的に続成を評価し,アミノ酸の同位体比を見極めていく展開は中身もまとまっていたし,良かった.

けど,やはり決定打が必要だね.続成の影響をクリアできる指標,もしくは新たな評価法を見つけないとね.」とお言葉をいただきました(ほかにもたくさん).

確かに,私の研究では複数の手法を用いて,化石に含まれるアミノ酸の保存性を議論してきましたが,

結局は"それ"が正しいと示す決定打はありませんでした.

なので,私のアプローチの場合,現生種や試薬実験を用いて,検証しなければならないことが多々あります.

また,修論発表会では話さなかった手法改良についても話しました.

そこでもたくさんのコメントをいただきましたが,最も印象的なことを記しておきます.

「いままでの手法はベストでないこともたくさんある.僕らの栄養段階推定法だって,現状ではグルタミン酸とフェニルアラニンが最適と考えているが,もしかしたらそうじゃないかもしれない.

特に,化石に応用するならなおさら.研究で大事なのは,ひとつずつ可能性を潰して,ひとつの道筋を立ててあげること.時には過去の手法も疑うこともある.

いろんな知識を駆使して,根拠を提示し,相手を納得させられるかどうか.

現に,今僕が説明したグリシンの話も,きのうの話も僕の妄想かもしれない.でもみんな納得できたでしょ.そういうこと.」

修了直前にして,研究とはどうあるべきかを考えさせられる日々.

刺激の多い卒業旅行です.

その後,力石研のラボの設営に携わりました.

力石研のドラフトのガスラインを加工した(曲げた)のは私です(笑).

(改修工事していなければ)

些細なことですが,光栄です.

週末のラボツアーに向けて,微力ながらサポートします.

スープカレー美味しかった!!

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