JAMSTEC修行の旅 その1

2018年3月24日 09:11 カテゴリ:兀橋のアミノ酸分析奮闘記

夏、いよいよ、力石さんからアミノ酸の抽出・誘導体化の手ほどきを受けることになりました。

今回は、アミノ酸の窒素同位体比分析を行うための、アミノ酸の同定から濃度の調整法までを学びました。

先生は北海道でのフィールド調査中でしたので、私一人でJAMSTECに乗り込みます!

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JAMSTECの「かいよう」の出迎えを背に、力石さんと実験室へと向かいました。

実験室に入ると、早速、前処理の指導が始まりました。

しかも、力石さんから直々にご指導いただきました(なんたる幸せ)。

まずは、使用する物、薬品の紹介です。

化学系の実験器具をほとんど使ったことのなかった私は、とりあえず、力石さんの一言一句を残さず、メモと写真をとりまくりました。

そして、実際の作業に入っていきます。

使用する試料は、シロウリガイの軟体部と金沢が誇る「近江町市場」で購入したホタテガイの軟体部です(食べてはいません)。

力石さん「アミノ酸の窒素同位体比分析に必要な試料は、たらこ一粒くらい。つまようじの先にちょっと乗るくらいかな」

ん~なんとも、わかりやすい表現だこと(これで、その人がどんな高級なたらこを食べているかわかりますね)。

解剖用ハサミでちょん切った、たらこ一粒分のホタテガイのお肉を、リアクティバイアルに入れ、酸加水分解が始まりました。

いよいよ始まった!! と意気込む私をみて力石さんから一言。

力石さん「はい。じゃあ今日の作業は終わり。」

\(゜ロ\)!!!!!

そうなんです。実は、このアミノ酸の前処理の過程には待ち時間がかなり含まれています(もちろん予習はしていたので、知っていましたよ)。

それゆえ、この研究では時間を効率よく使っていく力が必要になります。

さて、続きは翌日ということで、力石さんの実験を見学しながら、「研究のノウハウ」から「アミノ酸の窒素同位体比の話」まで、丁寧にかつわかりやすく、ご教示いただきました。

知らない専門用語がたくさん出てきて、知識が乏しかった当時の私は、まるで外国語を聴いているかのような気分でした。とにかく、耳に入ってきたコトバをノートに書くことで精いっぱいでした。

(がむしゃらに書いていたこのノートが、2年後役に立つことになるとは・・・。)

力石さん「いままでにどういうことがやられてきて、どういうことがわかっているのか。あるいは、わかっていないのかを把握することが研究を進めるために重要だよ。だから、論文を読むことはとても大事なんだよ。」

研究を始めたばかりの学生の多くは、論文を読むことに抵抗があるでしょう。

私もそうでした。でも、論文を読むと、それだけ知識が身に付きますし、さらなる興味がわいてきたりもします。

なにより、論文を読むことで、自分の研究の立ち位置をより把握することができます

初めて読む頃は仕方ないと思いますが、論文を日本語に「直訳」するのではなく、「和訳」し、論文の真意をしっかり汲み取れる力が必要です。

単語ひとつの意味を理解するだけでも重要です(例えば、must と have toの違い、Trophic level と Trophic positionの違い)。

よく、何のために研究しているかわからないと陥る学生がいましたが、それは知識不足で、目的が曖昧になっていることが多いと思います。

知識や語彙力がない人の視野は、解像度が低く、ぼやけた世界が広がっています。

その世界を覗くための、「メガネ」となるのが、教員です。

指導教員としっかり話すことで、少しずつ、メガネの「度」を小さくできるでしょう(最初は教員が指導してくれるはずです)。

力石さんとそんなことを話している内に、夕方になったので、帰りましょう。

あすは、誘導体化です!!

余談ですが、夜は、科博の「生命大躍進展」に行ってきました。

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出張がてら、こういったイベントに参加するのは、楽しみのひとつであります。

(この巨大ウミサソリ欲しかった...300,000円...)