第55話 Goodbye Folkestone

2019年3月10日 12:00 カテゴリ:兀天狗

「Goodbye! Hagechan!!」

カイムさん,クリシュトフさんと力強く握手をします(いやほんとに強い).

英会話もろくにできない大学院生を,フィールドチームに受け入れてくれただけでも感謝の気持ちで一杯です.

化学合成の化石の研究の最先端をひた走るお二人とともにフィールドに来られて,私は幸せ者です.

正直,丸一日くらいは,カイムさんやクリシュトフさんにくっついて,彼らがどのようにサンプリングしているのか,意識していることは何かを学ぶべきだったかもしれません.

その点からも,やはり今回の滞在時間は短かったと痛感します.

プライベートな会話も少々挟めるような距離感(with ジェンキンズ先生通訳)にもなってきた頃に,お別れの時間です.

たぶん,今は私を歓迎(楽しませようと)してくださるので,私は楽しめていますが,

英語力が身について,会話できると,本当の楽しさが感じられるのでしょうね.

その境地にたどり着けるかはわかりませんが,

次にお会いできるときまでに,英語力(and ちょっとポーランド語)を少しでも伸ばしておきたいです.

一週間の短い期間でしたが,私は一足先に帰路につきます.

トラブルもたくさんありましたが,化石もそこそこ採れたので,良い結果が出ることを期待します.

化石の数は期待できますが,フィールド能力は伸ばせたのかが疑問です.

実は,私がサンプリングした場所は,佐藤さんやジェンキンズ先生が化石を見つけた地点がほとんどです.

あまり自分で開拓していません.

私は限られた時間の中で,いかに保存のいい化石が採れるかが課題でした(というか採れるか不安だった).

サンプリングポイントを探す時間を減らすために,背中を追うことを利用しまくりました.

いい化石が出そうな場所を見つける技術(勘と経験?)は,どうやったら効率的に身につくのでしょうかね.

まあ,やっぱり場数ですかね~.

私は多くの人から試料を提供していただけることが多かったことと,化学分析がメインでもあったので,

フィールドの経験は少ないです.

同期や先輩後輩は1ヶ月丸々北海道の山の中で調査してたり,頻繁に海に潜ったりしてましたから,場数は多いですよね.

彼らに聞けば,そのノウハウがわかるかもしれません.

仕事をしていても思うのですが,やはり"現場"で"自分の手を動かす"ことで,机の上からだけでは得られないことが学べますよね.

機会があれば,積極的に"現場"で"自分の手を動かす"ことに取り組むべきだと,(今の自分にも強く)伝えたいです.

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私は,修士の間に2回も海外に足を運ぶことができました.

非常に恵まれた環境であったことに,いまでも感謝しきれません.

両方とも,とても勉強になりましたし,有意義な時間でした.

これだけは言わせてください!!!!!

帰国してからは,後輩やいろんな人に「海外はいいぞ~」とほざいてしまい,すいませんでした.

トータルで1ヶ月未満のくせに,どや顔してすみませんでした.

海外の良さは,現地で生活してナンボのもんでしょう.

私の経験の浅さは,ヨーグルトの上澄み液程度です.

本質的な海外の良さまでは理解できていないので,ひとりごとだと思って無視してください(笑)

ただ!!!

出張はすごくいい.

これまた幸運にも,私は研究生活で日本全国津々浦々(北は北海道から南は愛媛まで)に足を運ぶ機会がありました.

非日常的な場所で非日常的な人と会うことで,刺激をもらえます.

出張は日数が決まっているので,作業にはいつもよりも計画性が必要ですし,その計画に沿った密な時間を過ごせば,必ず身になります.

(日頃から密な時間を過ごすのがベストですが)

また,ずーーーーっと同じ空間に居座ってコツコツと作業するのも,悪くないのですが,研究(仕事)の世界観や価値観がキュッとしすぎてしまうので,

外の世界を見て,自分の物差しを少し校正してみましょう.

その校正を繰り返しことで,スキルが少しずつ伸びていくんじゃないかと私は思うのです.

そして,得られたことは,その日のうちに,あるいは帰ってきてから絶対まとめる!!

私は実践できたときとできなかったときがありますが,できたときの知識と経験は今でもすぐに出てきます.

忘れちゃいますからね.アウトプットすることで自分にもう一度インプットできます.

お隣のIくんはそれが得意でした(たぶん).

また,先生やゲストと長期間一緒にいることで,みんなのいいところや悪いところがかなり見えてきます.

普段の生活だけでは,お互いのことを知る機会も少ないですし,距離を縮められる機会でもあります(相性が合わなければ縮める必要はない).

最後に,今回(というかいつも),これをもっと持ってくればよかったというのを紹介します.

・新聞紙

これは,化石を運搬する際に,母岩を包むために使うのですが,毎回足りなくなる(笑).

サンプリングスタイルにもよりますが,最低限「フィールド日数×1日分の新聞」は必要かと思います.

欲を言えば,×1.5~2日分の新聞でも良いと思います.

キャリーケースに入れまくりましょう.帰りに空いたスペースはお土産や荷物を詰め込みましょう.

現地調達でもよいですが,調達できない環境もありますので,自己責任ですね.

余る分には良いですが,足りないのはどうしようもないですから.

ちなみに,カイムさんは新聞紙でなく,キッチンペーパーでした.

・養生テープ

これも同じです.

試料を包んだ新聞紙等を固定するために使いますが,今回,私は足りなくなってしまいました.

甘かったですね.

佐藤さんが,現地で「サイテープ」と「ゴリラテープ」を購入されていたので助かったものの,

M2になって,そんな状況になるのは少し気が滅入ります.

最低限,未開封を1つは持って行きましょう.

あとは日数に応じて.

フィールドに限らず,分析も発表もデートも準備が最も重要ですね.

ーーーーーーーーーーーー今日から使える英語表現ーーーーーーーーーーーー

Is my understanding correct ? 「私の理解で合っていますか?」

Amino acids which we need to estimate trophic position are glutamic acid and phenylalanine. Is my understanding correct ?

Almost.