第1話 ジェンキンズ研へのトビラ

2018年2月15日 20:30 カテゴリ:兀天狗

「研究室を選ぶ」というのは、人生のターニングポイントといっても過言ではないでしょう。だからこそ、たくさん悩みました。みなさんも悩んだ(悩んでいる)と思います。

私が、研究室選びにおいて大事にしていたことは

「自分のやりたいこと」

「指導教員」

の2つです。

私は入学当初、具体的に「やりたいこと」がありませんでした。自分が何に興味があるのか、探りながら講義や実験をこなしてきました。

漠然とやりたいな~と思っていたのは、「海」か「空」か「生き物」です。

私が最初に興味をもった研究室が「大気の微粒子」でした。

しかし、各研究室の定員が3名(当時)であるのに対し、同じことを考えていた同期が8人ほどいました(多すぎやしないかい)。

これは。大ピンチです。

なぜかというと、地球学コースの研究室配属の優先順位としては、

1. 教員が決める

2. GPA(成績)順に決まる

というルールがありました。

私のGPAではとても戦えません。(クリリンがベジータに挑もうとするみたいなもんですよ)

そんな中、2年生の後期に、私にとって重大な出来事がありました。

哺乳類の化石を発掘しました

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(標本のとり方も知らない頃に、発掘した勢いで撮ったので、不格好ですが)

タガネとハンマーを使って母岩から発掘したのですが、

そのときの感動といったら!!!

ゾゾゾ~!!ってなって、どわーん!!!って感じです!!!(いや、ほんとに)

もちろん、班員のみんなとの共同作業でありますので、「私の手柄だ!」とは言いませんよ。

「化石っておもしろい!!!」

その感動をもう一度味わえないものか、と、地質・古生物学グループに興味をもち始めました。

でも、「化石って、就職に使えるんか?」と言う親族や友人もたくさんいました。

確かに、化石を仕事としてやっていくためには、狭き門をくぐらなければなりませんが、化石に限らず、多くの分野で、大学でやっていたことをそのまま仕事にした人なんて少ないと思いますよ。

むしろ、化石を扱うなんて、いましかできないチャンスじゃないでしょうか。

化石ができるという恵まれた環境にいるということは幸せですよね。

化石でなくとも、自分が「いまやりたいこと」、「いましかできないこと」をやったほうが楽しいし、後悔はしないと思います。

つづいて、「指導教員」

これは修士になってからも大事やな~と強く感じています。

指導教員の雰囲気、相性、研究への取り組み方などが自分に合うかどうかはすごーーーーく大事です。

当時、金沢大学の地質・古生物学グループには、

神谷先生、長谷川先生、ジェンキンズ先生の3名の教員がいました(いまは佐川先生も含めて4名です)。

その中で、大型化石を主体的に取り組めそうなのはジェンキンズ研かな~と思っていました。

貝形虫を用いて生物の進化や適応を解明していく神谷研やあらゆる分析装置を駆使して古環境解析を行う長谷川研もおもしろそうだな~と思っていましたが、私の中では、現生と化石を組み合わせて、極限環境に生息する生物の進化を探るジェンキンズ研に最も惹かれました。

そもそも、極限環境生物って、聞いただけでワクワクしませんか。

しかも、その化石って、、、

ダブルワクワクですよね、ほんとに。

私は、特異なものに惹かれてしまう癖があるのですが、極限環境生物とは、まさにその極み!!

我々にとって有毒な硫化水素をエネルギーとしているなんて、最高におもしろいですよね!!

ジェンキンズ研に惹かれたのもうひとつの魅力は、先生との距離感です。

威厳がありすぎて、話しかけにくい先生や、友達感覚になってしまう先生は、私の性に合いません。

研究室配属前から、先生との会話を通して、遠すぎず、程よい近さだと感じていました。

(適度にプライベートも突っ込まれますが)

行き詰ったときなどにも、相談しやすそうと感じていました。

また、先生のプレゼン能力にも惹かれました。

私は見ている人を楽しませる人になりたい、おもしろくプレゼンできる人になりたいと思っていました。

そのときに、先生のプレゼンを見て、「この人だ!」と思いました。

とまあ、長くなりましたが、今、改めて言える研究室選びのポイントは

「自分がやりたいことをやれるのか」

「指導教員との相性が合うのか、憧れを抱けるのか」

これが重要ですね。いまも感じています。

そんなこんなで、ジェンキンズ研究室の門をたたきました。

まずは研究テーマを決めなければいけませんね。

(つづく)